頭皮の薄毛が進行しはじめて10年は過ぎただろうか。初期の薄毛では、まあ一時的なものだろうとタカをくくっていた。少し進行してくると、シャンプーを替えれば何とかなるだろうと前向きに考えた。しかし10年が過ぎて、あまりにも進行してしまった薄毛に後悔の念でいっぱいである。
何とか毛根を増やすため調べたところ、「毛根は生まれながら数が決まっていて増やすのはムリ」という髪の毛のプロフェッショナルの回答を発見した。
俺の死滅した毛根を増やす事が出来ないとなると、次に考えたのが、「枯れ果てて完全に塞がってしまった毛根を復活させる」ということだ。そんな考えで調べてると、毛根を活性化させ、血行を良くすることで育毛をする方法がある事を知った。
また、薄毛の原因の1つである男性ホルモンを薬を使わず抑制する方法も、あらゆる方法で探してみた。わたしは昔から、風邪薬でさえ飲みたくないという、もっぱらの薬嫌いだ。
どうしても耐えれない場合や、命にかかわるような状況にならなければ、医者が出した薬でさえ飲まないことがあるほどだ。なんとか食べ物や生活の改善で男性ホルモンを抑えることができないか。
毛根を増やす為に考えたわたしは、ある2つの方法を選択した。それは「大豆を主食かのごとく食べること」と、「激しい運動は避ける」ことだ。わたしは「女性がなぜきなこ好きなのか」を深く考えたことがある。
そしてたどり着いたのが「便秘予防」と、「女性ホルモンの安定」だ。大豆には女性ホルモンのバランスを整えてくれる作用があるそうだ。きなこを食べる習慣はなかったが、子供の頃は納豆・枝豆・豆腐などを良く食べていた。ちなみに枝豆は大豆が青い時に収穫したもの。私は、このことを最近まで知らなかった。
大豆を毎日食べていたのは、母が健康に良いとされる大豆を使った食事をメインに据えていたのが大きい。小学生の頃はよく女の子に間違えられる事が多かった。もしかすると、大豆を毎日食べていたので、そのような風貌になったのかもしれない。
中学に進学し、体育系のクラブに入ると毎日激しい運動を続けたせいか、どんどん体格も風貌も変わってしまったのだが…。そう、二つ目の激しい運動を避けるのは、男性ホルモンの分泌が増えると聞いたからだ。
まったく運動を止めてしまうと健康を害することにもなるので、最低限の運動だけを心がけるようにした。そうこうすると、ある変化を感じるようになった。身体の皮膚がプニプニするのだ。
伝わりにくいかもしれないが、納豆などを食べた次の日など、皮膚の柔らかい部分を押してみて欲しい。明らかにプニプニとした感触になっている。2、3日大豆を摂るのを止めると、プニプニ感が減ってくるのも感じ取れる。
このプニプニ感は、毛根を復活させるのに必要な要素なんじゃないかと思う。死んでしまったかのような毛根の周りの頭皮は、板のようなカチカチの状態になってしまっていた。これが改善できれば、新しい髪の毛も皮膚を突破できるのではないか、と思うようになった。
この2つの試行を続けて1年近く経ったころ。なんと死んだと思われた毛根に細い毛がわずかだが生えてきたではないか。1年続ける間に、2つの努力以外にも、毛根に良いと言われることは色々とやった。
1年ではさすがにフサフサとはいかないものの、手ごたえは感じることができた。この喜びのおかげで、頭皮に行き渡る血の流れも幾分か良くなったように感じる。おそらく、良い循環が起き、髪の毛自体も太くなってくれることを目指している現在である。